2025.1.14
日本の生活と学業はドイツとどう違う?
カルチャーショックと学業の中でバランスをとる。
- 日本での生活
- なぜ日本?
Arvid
ドイツ
広島大学
修士

私の研究
私はスマートソサイエティ実践科学研究院(SMASO)で学んでいます。広島大学キャンパスの端にあるIDEC(国際協力研究科)ビルは、JICAや文部科学省、その他のプログラムによって派遣された、ASEANやアフリカからの留学生がたくさんいる国際的なビルです。私の学ぶ課程では、講義はIDECビルで行われますが、研究室はエンジニアリング・ビルの建築関係のフロアにあります。日本に来る前は、ドイツ政府(GIZ)でベトナムのクリーンエネルギーと循環型経済に関する仕事をしていました。広島大学に来たのは、空調とヒートポンプを学ぶためで、指導教官はその分野が専門の、金田一清香准教授です。私の学士号は経済学で、研究テーマはドイツの新しい自治体暖房計画法制と空調制御技術の購入決定についてです。日本は空調とヒートポンプの先進国なので、日本のそれらに対する考え方を理解するには素晴らしい環境だと思います。修士号を取得して、日独間でヒートポンプに携わる機会が得られることを願っています。
日本の大学院
研究プロジェクトで修士号を申請しなければならないので、毎日の研究により集中しています。ドイツではそこまで集中しません。豊富な実務経験を生かして研究を進めていきたいと思っています。広島大学は私に一次データを出すように勧めてくれています。講義コースは4期で合計12か月で、研究に残りの12か月を費やせる日本のシステムでは、研究者は実験やアンケートでデータ収集を行うことができます。
ドイツの修士課程は講義が続くことが多く、ほとんどの場合、研究のための期間は2年間のうち6か月しかありません。教授はあまり時間がなく、学生たちは図書館で勉強しています。専門職としてキャリアを積んでいく中で、もっと工学的、技術的な専門知識を身につけたいと思った際には、ドイツではもう一度学士号から取得し直す必要があります(ドイツでは修士号は学士号の専門と継続したものが多いため)。日本には、入学に必要な条件を習得するための研究生制度があります。修士号過程の入学試験はオンライン・プレゼンテーションでしたし、修士論文は英語ですから、私の場合はその制度を利用する必要はありませんでした。
私の学ぶ修士課程では英語が使われていますが、悲しいことに、英語の講義の40%は質が良くありません。さらに悲しいことに、私の日本語能力は日本語の講義を受けられるほど上手ではありません。教授たちは、英語の苦手な日本人の研究室仲間と、日本語の苦手な私との間の学術的な会話を深めるために、英語でのランチミーティングを企画してくれています。ほとんどの教授は英語が堪能で、いつでも助けてくれます。
自然と都市生活のミックス
広島大学と東広島は、勉学に励むには素晴らしい場所です。ハノイで働いた経験を経て、静かな東広島で暮らしていると、とても健全な感じがします。広島大学の中央には美しい公園があります。私は毎日、黒瀬川沿いを自転車で走っています。夜は西条酒造の井戸まで歩いて、新鮮なおいしい水を汲みに行きます。美しい尾道まで1時間、素晴らしい川やたくさんのショッピングスポットがある広島市街までは40分です。春と秋には自転車で山を越えて竹原まで行きます。広島は関西、四国、九州へ行くにも便利です。自然を愛する人々にとって、ここは完璧な場所です。
私は55,000円で2LDKのアパートを借りており、2万円で借りている人も知っています。農産物の直売所はとても手頃な値段なので、よく買い物に出かけます。自転車で行きたいところに出かけています。一方で、東京や関西の広大で複雑な街並みや満員の公共交通機関は考えるだけでストレスを感じますし、その上大都市圏では毎日移動するための費用もかかります。東広島はとにかく物価が安いです。
日本での生活の課題
日本の建物には断熱材が使われていないので、冬や夏は電気代がかさみますし、少し快適ではありません。古くて安っぽいプラスチック壁の建物が多いので、良いアパートを見つけるのは簡単ではなく、さらに言えば、ほとんどの不動産屋は英語を話せませんし、外国人には貸さないこともあります。私をサポートしてくれた学生は信じられないほど親身になって助けてくれました!彼女がいなければ上手くいかなかったでしょう。以前住んでいたベトナムでは、アパートは家具付きですが、外国人にとっては割高でした。ドイツではアパートの家具も自分で揃える必要があり、それに比べると日本の家賃や家具はずっと安く、全体的に良い環境にあります。日本では少ないですが、ドイツではほとんどの人がシェアアパートに住んでいます。そのため、ここでの生活では少し孤独を感じます。
日本の学食の食事は本当に不健康で、ベジタリアンには優しくなく、値段も少し高いです。私の部屋のキッチンは素晴らしいですが、ほとんどの学生アパートは狭いので、小さなキッチンで料理や食事の下ごしらえをするのはとても面倒です。日本の多くの場所の道路設計はサイクリストのために作られていませんが、空気はきれいで、少し時間がかかるものの、素晴らしいサイクリング・ルートを見つけることができます。日本は常に自然災害の恐怖が迫っています。西条は地震の面では日本で最も安全な場所の一つですが、洪水はあります。今のところ何も起こっていませんが、家にいたほうが良いという警報が出されることもあります。私は30歳を過ぎ、日本は5か国目の居住国なので、異なる生活環境に適応する方法を身につけています。
私の日本の楽しみ方
毎週月曜日の午後2時から6時まで茶道を習っています。火曜日と日曜日の夜は合気道をやっています。電車ですぐ近くの尾道に行くのも、E-Bikeで西条をサイクリングするのも好きです。多くの友人や家族が日本を訪れてくれます。彼らと宇治、大阪、伊勢、直島、観音寺、宮島に行きました。